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【必読】外国人留学生の採用に伴う在留資格変更手続き完全ガイド

【必読】外国人留学生の採用に伴う在留資格変更手続き完全ガイド

外国人留学生に内定を出す直前、人事で止まりやすいのは「申請はいつ出すか」だけではありません。配属先の仕事が在留資格に合うか、学生時代のアルバイト状況に説明の余地がないか、許可前に勤務が始まらない運用になっているかまで見ます。

留学生は在留資格「留学」で日本に滞在しています。正社員として雇用するには、原則として就労できる在留資格へ変更し、新しい在留カードを受け取った後に勤務を始めます。

在留資格とは、日本でできる活動の範囲を決める資格です。外国人留学生を採用する企業向けに、内定前の見極め、申請準備、4月入社から逆算した時期、不許可を避ける面談項目をまとめます。

監修者 徳田淳子
監修者

登録日本語教員・国家資格キャリアコンサルタント

徳田 淳子

国際交流基金「EPAに基づく日本語予備教育事業」に日本語教師としてインドネシア派遣。外国人政策情報発信プラットフォーム「にほんごぷらっと」編集広報担当。日本語教育隣接領域における研修を主催する「ことばと学びでつながるなかまの会」「ももの会」創設メンバー。国内MBA取得。

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内定前に見るのは申請日ではなく「働かせられる仕事」

留学生の在留資格変更は、内定後に本人へ任せて終わる事務ではありません。見通しが曖昧なまま内定を出すと、入社日に間に合わない、配属予定の仕事を変える、内定条件を説明し直すといった手戻りが起きます。

Study in Japanでは、留学生が日本で就職する場合、在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」など就労できる在留資格へ変更すると整理されています。申請者が本人であっても、採用条件と書類の整合を崩さない責任は企業側に残ります。

候補者ではなく配属後の活動から逆算する

起点は国籍や日本語力ではなく、入社後に任せる活動です。通訳、営業、エンジニア、店舗接客、介護、外食では、同じ留学生採用でも見る在留資格が変わります。

内定通知や雇用契約書を出す前に、人事と配属先で次の5点をそろえます。

  • 在留期限: 入社予定日まで在留期限が足りるか
  • 職務内容: 専門性や分野要件を説明できるか
  • 専攻・学歴: 学んだ内容と職務に関連があるか
  • 報酬: 日本人と同等以上の条件になっているか
  • 過去の在留状況: アルバイト時間、税金、在留カードに不安がないか

この5点が曖昧なままなら、先に直すのは書類ではなく職務内容や採用条件です。活動内容の説明が弱いと、書類がそろっていても審査で追加資料を求められる可能性があります。

技人国ありきで進めると職務説明が途中で崩れる

留学生採用では「まず技人国」と考えがちですが、在留資格は職務内容から選びます。就労先で任せる仕事、本人の学歴、日本語力、業界要件を並べると、候補は自然に絞られます。

競合上位記事でも、技術・人文知識・国際業務、特定活動46号、特定技能の使い分けが大きな論点でした。ここを曖昧にすると、雇用理由書、職務説明、配属先への説明がそれぞれ別の内容になります。

在留資格 検討しやすい職務 企業側の確認
技術・人文知識・国際業務 エンジニア、企画、営業、通訳、マーケティングなど 専攻や職歴と職務の関連を説明できるか
特定活動46号 日本語を使う接客、通訳を含む現場業務など 日本の大学等の卒業、日本語能力、業務内容の範囲
特定技能 介護、外食、製造、建設、自動車運送業など対象分野の業務 分野該当性、試験合格、支援体制、雇用条件

求人票の言葉をそのまま申請書類へ移さない

技術・人文知識・国際業務では、本人が学んだ内容と入社後に担当する仕事の関連が見られます。情報系を学んだ人をシステム開発で採用する場合と、別分野の作業が中心になる場合では、用意する説明が別物です。

求人票は応募者向けの表現なので、そのまま申請書類に移すと仕事の専門性が薄くなります。本人の専攻、配属部署、担当業務、使う知識を一文で言える状態にしてから、雇用契約書や雇用理由書へ反映します。

4月入社は「卒業証明書待ち」を前提に予定を組む

4月入社の留学生採用では、卒業見込み、卒業証明書、入管の混雑が同じ時期に重なります。行政書士系の上位記事では、2026年4月就労開始予定者について、12月1日から1月末までを申請時期の目安としていました。

TCJグローバルのセミナー知見では、在留資格の変更申請は早ければ2から4週間、平均2か月、長い場合は3か月程度です。3月から4月に動き出すと、追加資料の依頼や卒業証明書の発行待ちを吸収できません。

人事側で先に決める順番

  1. 採用予定職務と在留資格の候補を決める
  2. 本人書類と企業書類の担当者を決める
  3. 雇用契約書、職務内容、報酬条件を固める
  4. 在留資格変更許可申請を行う
  5. 追加資料の依頼があれば期限内に対応する
  6. 許可後、新しい在留カードを確認して入社手続きへ進む

本人書類より先に企業書類の担当を決める

区分 主な書類 企業が見る点
本人 申請書、写真、パスポート、在留カード、履歴書、卒業証明書または卒業見込証明書 在留期限、学歴、専攻、過去の活動状況
企業 雇用契約書、採用通知書、会社案内、登記事項証明書、決算関係資料、職務内容説明 報酬、職務内容、事業の安定性、企業カテゴリー

必要書類は変更後の在留資格、企業カテゴリー、本人の経歴で変わります。提出直前には、出入国在留管理庁の申請書ページで最新様式を見直します。

内定後に発覚しやすいのはアルバイト時間と未納

ある採用現場では、内定後に留学生のアルバイト掛け持ちが分かり、週28時間を超えていた可能性の確認に時間を要しました。職務内容に問題がなくても、過去の在留状況で説明が求められることがあります。

TCJグローバルのセミナーでは、在留資格申請が不許可になる原因として、オーバーワーク、税金の滞納、在留カード確認漏れを挙げています。面接時の質問と書類確認で拾えるものを、内定後まで残さない運用が大切です。

採用前に聞くべき質問

  • ・ 学生時代のアルバイトは週に何時間でしたか
  • ・ 掛け持ちしていた勤務先はありますか
  • ・ 税金や保険料の支払いで未納はありませんか
  • ・ 在留カード番号の照会に協力できますか

これは本人を疑うための質問ではなく、申請前に説明が要る点を見つける作業です。課税証明書の収入が明らかに高い場合は、資格外活動の時間を超えていた可能性があります。納税証明書で未納が分かったら、申請前に整理します。

不許可時は同じ書類を出し直さない

不許可になった場合、理由を確認せず同じ内容で出し直しても結果は変わりません。職務内容の説明不足なのか、本人の経歴と業務の関連不足なのか、過去の在留状況なのかを分けて見直します。

再申請では、雇用理由書、職務内容説明、追加資料の精度が問われます。企業だけで判断が難しい場合は、行政書士などの専門家へ早めに相談し、入社日の調整も同時に進めます。

許可通知ではなく新しい在留カードで勤務開始を決める

許可通知が届いただけでは、入社準備は終わりません。新しい在留カードで在留資格、在留期間、就労できる活動内容を見てから勤務開始を判断します。

許可前に正社員として働かせると、不法就労のリスクがあります。研修や入社前課題であっても、その活動が現在の在留資格で認められる範囲かを先に見てください。

配属先には「できる仕事」と「避ける仕事」を渡す

在留資格で認められる活動と、現場が任せたい仕事がずれると、入社後に配置変更や追加確認が発生します。申請内容は人事だけで抱えず、配属先にも職務範囲を渡しておくほうが安全です。

店舗研修、現場実習、ジョブローテーションを予定している場合は特に注意します。研修名目でも、実際の業務内容が在留資格に合うかを見る場面が出ます。

日本語支援は許可後ではなく内定後から始める

在留資格変更が通っても、現場で指示が伝わらなければ定着にはつながりません。配属先の業務語彙、報連相、社内ルールは入社前から洗い出し、入社直後の教育に入れる対象です。

TCJグローバルでは、11か国60機関のネットワークと日本語教師資格保有者によるアセスメントをもとに、企業ごとの業務に合わせた日本語教育を組んでいます。内定から入社後6か月まで支援するため、許可取得後の現場運用まで準備範囲に入れてください。

採用後の定着まで見据えた受け入れ体制については、「外国人材の定着を支える4つの仕組み」で詳しくまとめています。

よくある質問

Q1. 外国人留学生は内定後すぐ働けますか?

A. 原則として、就労可能な在留資格への変更許可を受け、新しい在留カードを確認してから勤務を始めます。許可前の就労は避けてください。

Q2. 在留資格変更は本人だけで申請できますか?

A. 原則として本人申請ですが、企業側の書類や職務説明が必要です。本人任せにせず、人事が書類と期限を管理するほうが現実的です。

Q3. 4月入社の場合、いつから準備すべきですか?

A. 前年12月から1月末までに申請準備を固めると、卒業証明書や追加資料への対応余地を残せる時期です。

Q4. 専攻と職務内容が完全に一致していないと不許可ですか?

A. 一致の度合いは職務内容や在留資格によって見方が変わります。関連を説明できるか、専門知識を使う業務か、報酬や企業体制が整っているかを合わせて見てください。

Q5. アルバイトの週28時間超過は採用に影響しますか?

A. 影響する可能性があります。面接で勤務実態を確認し、課税証明書などで収入状況を見ると、申請前に説明すべき点が見えてきます。

採用前に社内で止めるべき3点

外国人留学生の採用では、内定後の書類集めより前に、採用条件と在留資格の見通しをそろえることが先です。社内で止めるべきポイントは次の3点です。

  • 1. 職務内容: 任せる仕事がどの在留資格に合うかを確認する
  • 2. 申請時期: 4月入社なら前年12月から1月末までを準備の山場にする
  • 3. 過去在留状況: アルバイト時間、納税、在留カードを確認する

この3点がそろうと、候補者、配属先、経営層に同じ前提で説明できます。在留資格変更は申請だけで終わらせず、入社後に働ける状態を作るところまで採用計画に含めてください。

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記事を書いた人

外国人材TIME編集部