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企業が外国人を募集する際はここをおさえよう!在留資格の確認から受け入れ体制まで

企業が外国人を募集する際はここをおさえよう!在留資格の確認から受け入れ体制まで

「採用が決まった翌月、現場から電話が来た」という経験をした人事担当者は少なくありません。日本語力の確認が不十分で、安全指示が現場で伝わらなかった。在留資格の就労範囲を確認しないまま採用を進め、採用後に業務との不一致が判明しました。いずれも、募集より先に確認すべき事項を後回しにしたことが原因です。

2024年10月末時点で、日本で働く外国人労働者は230万2,587人に達し、過去最高を更新しました(厚生労働省「外国人雇用状況」令和6年10月末)。製造・介護・建設・外食を中心に、外国人材を採用する中小企業が増えています。それに伴い、採用後の定着失敗が採用担当者の悩みとして定着しています。

在留資格・日本語力の設定基準から、自社の条件に合った6つの募集チャネルの選び方、求人票の書き方、採用後の受け入れ体制整備まで、日本語教育37年・育成実績1万人以上のTCJグローバルが実務の手順を一気通貫で解説します。

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外国人を募集する前に確認すべき2つのこと

募集を先行させると、候補者が集まった後になって「この業務はこの在留資格では担当できない」「日本語レベルが業務要件を満たしていなかった」という状況に陥ります。どちらの問題も、求人票を作成する前に確認しておけば回避できます。

在留資格の確認と日本語レベルの事前設定は、外国人採用の実務における第一歩です。この2点を後回しにしたまま募集を始めると、採用後のミスマッチが繰り返されます。

在留資格の種類と就労可否を先に確認する

外国人が日本で働くためには、就労可能な在留資格が必要です。在留資格には「就労系」と「身分系」の2種類があり、就労の制限が異なります。就労系在留資格を持つ外国人は、資格に対応した業務にしか従事できません。技術・人文知識・国際業務(技人国)の資格を持つ外国人を製造ラインに配置した場合、資格外就労に該当します。

在留資格と業務内容が一致しない状態で雇用した場合、企業側も不法就労助長罪として問われます(出入国在留管理及び難民認定法第73条の2:3年以下の懲役または300万円以下の罰金)。「本人が就労できると言っていた」という事情は、免責の理由にはなりません。

在留資格 対象業務(主な例) 就労制限
技術・人文知識・国際業務(技人国) IT・会計・翻訳・国際業務など ホワイトカラー業務限定
特定技能1号 製造・介護・外食など14分野 分野・業務の限定あり
特定技能2号 一部分野での熟練業務 分野・業務の限定あり
育成就労 特定技能1号に相当する業務 分野・業務の限定あり(2027年6月施行予定)
留学(資格外活動許可あり) アルバイト等 週28時間以内の時間制限あり
永住者・定住者・日本人の配偶者等(身分系) すべての業務 就労制限なし

永住者・定住者・日本人の配偶者等の「身分系」在留資格は就労制限がなく、どの業務にも従事できます。採用候補者の在留カードで「在留資格の種類」と「在留期限」の2点を必ず確認し、担当させる業務との整合性を記録してください。

業務に合った日本語レベルを事前に設定する

在留資格の次に確認が必要なのは、業務遂行に必要な日本語のレベルです。JLPTは筆記・聴解の試験であり、口頭での業務コミュニケーション能力を直接測ることはできません。日本語で自由に会話できる技能実習生はわずか3.1%というデータがあります。「N3を持っているなら現場指示が伝わる」を前提にOJTを組むと、多くのケースで噛み合わなくなります。

JLPTレベル 試験の概要 実務での対応能力(目安)
N1 幅広い状況での日本語理解 報告書作成・会議参加・複雑な交渉
N2 日常的な日本語の概要理解 職場での読み書き・会議への参加
N3 日常的な話題の概要理解 業務指示の理解・簡単なメモの記録
N4 基本的な日本語の理解 定型句を使った会話(応用に限界あり)
N5 ごく基本的な日本語のみ 現場業務への単独従事は困難

N4・N3レベルの日本語教育では、カタカナ語・オノマトペ・業界固有の省略語は学習範囲外です。また、日本語試験に合格していても実際の会話に課題がある候補者が多いという報告があります。求人票に「N3以上」とだけ書くのではなく、「業務指示を復唱確認できるレベル」という行動基準を加えることが、採用後のミスマッチを防ぐ基本対策です。

外国人を募集する6つの方法|自社の条件で選ぶ

どのチャネルから始めるかに迷う担当者は多いですが、採用人数・予算・採用スピードの3条件を先に確定すると、選択肢は自然に絞られます。条件が定まらないままチャネルを選ぶと、後から変更した際に掲載コストが重複します。

チャネルを選ぶ前に確定する3つの条件

課金タイプ 費用の構造 向いているケース
掲載課金型 月額固定(継続掲載) 複数名を継続的に採用する場合
応募課金型 応募1件あたり課金 初回採用・少人数採用
採用課金型(人材紹介) 採用成功時のみ(年収の15〜30%) 初期リスクを抑えたい・初めての外国人採用

6つの募集チャネルと向き・不向き

  • ① 外国人向け専門求人サイト(掲載・応募課金型): YOLO Japanなど、外国人労働者向けに特化した多言語対応の媒体。在留資格別での検索ができるため、応募者の条件ミスマッチが少ないのが特徴です。複数名採用を継続的に行う場合に適しています。
  • ② 一般求人サイトの多言語対応機能(掲載・応募課金型): IndeedやHellowork Internetも外国語表示に対応しています。日本語のみの求人票で掲載すると、読める候補者が限られる点に注意が必要です。
  • ③ 外国人特化型人材紹介会社(採用課金型): 採用が成功した時点で紹介料が発生するため、初期コストを抑えられます。相場は採用者の年収の15〜30%程度です。候補者のスクリーニングや面接調整も代行してもらえるため、採用担当者の工数を大幅に削減できる点も強みです。
  • ④ ハローワーク・外国人雇用サービスセンター(無料): 無料で求人を掲載できます。候補者プールは限られますが、外国人雇用サービスセンターとの連携支援も利用できます。
  • ⑤ 自社サイト・リファラル採用(低コスト): 既存の外国人社員からの紹介(リファラル)は、採用後の定着率が高い傾向があります。ただし候補者母数に限りがあるため、単独チャネルとしては計画的な採用に向きません。
  • ⑥ SNS・コミュニティ活用(低コスト): FacebookやInstagramを通じてターゲット層の候補者コミュニティへアクセスする方法です。日本語以外での情報発信が難しい場合は、補助的なチャネルとして位置づけるのが現実的です。

複数チャネルを並行して使う場合は、求人票の内容(業務内容・日本語要件・在留資格要件)を統一してください。チャネルごとに求人票の内容が違うと、応募者の混乱と応募品質の低下につながります。

チャネル選定の前に、まず自社の採用人数・タイムライン・予算を確定してください。後からチャネルを変更するとコストが重複します。これが確定してから媒体を選ぶ順番が、費用対効果の高い採用につながります。

外国人向け求人票に書くべき5つのポイント

在留資格要件と日本語レベルを数値で明記するだけで、採用後のミスマッチが大幅に減ります。求人票は採用後の「期待値管理」の最初のステップです。抽象的な記載は、応募者と企業の双方にとって時間の無駄を生む原因になります。

職業安定法は、国籍・人種・民族・社会的身分などを理由とした求職者の差別を禁止しています。「◯◯人歓迎」「日本語ネイティブ優遇」(実質的な国籍・出身国の指定)は違反に当たる可能性があります。外国人採用では、国籍ではなく必要なスキル・資格で条件を定義することが基本です。

  • ① 業務内容を具体的に書く: 「食品加工ライン(麺類)での品質確認・包装作業。立ち仕事6時間、繰り返し動作あり」のように、業務環境・内容・難易度を具体化します。「食品製造に関わる業務」という抽象記載は、採用後の「思っていた業務と違う」を招きます。
  • ② 日本語レベルを行動基準で明記する: 「JLPT N3以上、または業務指示を復唱確認できるレベル」のように、行動基準を加えて記載します。試験の合否だけで実務能力を判断することには限界があるため、行動ベースの基準を組み合わせることが重要です。
  • ③ 応募可能な在留資格を記載する: 「在留資格:技術・人文知識・国際業務、特定技能(食品製造)、身分系在留資格をお持ちの方」のように、業務に対応する在留資格を明記します。「ビザをお持ちの方」という曖昧な表現を使うと、条件を満たさない候補者からの応募が増える点に注意が必要です。
  • ④ 国籍・人種などの指定をしない: 職業安定法の規定に従い、国籍ではなく必要なスキル・資格で条件を定義することが基本です。文化的背景の記述が必要な場合も、「特定の国籍の方」という表現は使わずに業務要件として定義します。
  • ⑤ 入社後のサポート情報も加える: 「入社後の日本語研修あり」「住居サポートあり(特定技能の方)」などを記載すると、「研修があるなら応募できる」という層からの応募が増える傾向があります。採用後のサポート体制を事前に伝えておくと、応募率が上がる傾向があります。

以下はよくある求人票のNG表現とOK表現の比較です。自社の求人票と照らし合わせて確認してください。

NG表現 OK表現 理由
「日本語が話せる方」 「JLPT N3以上、または業務指示の復唱確認ができるレベル」 行動基準を明確化
「◯◯人歓迎」 「在留資格(技人国・特定技能)をお持ちの方」 国籍指定の禁止
「コミュニケーション能力が高い方」 「日本語で業務指示を受け、確認の質問ができる方」 具体的な行動で定義
「真面目で勤勉な方」 「安全規則を守り、作業指示に従える方」 文化的ステレオタイプの排除

採用後の受け入れ体制を先に整える|日本語研修は内製か外注か

現場で起きた「孤立」の事例

よくある状況:

採用した外国人社員が毎回「お先に失礼します」と挨拶するのに対し、上司が「毎回言わなくていいよ」と伝えた。

実際の影響:

上司に悪意はなかったが、外国人社員には「歓迎されていない」というメッセージとして伝わった。その社員は後に「自分はこの職場に必要ない人間なのかと感じた」と語った。(TCJグローバルのセミナーで報告された事例)

回避方法:

  • ・ 「気にせず行ってらっしゃい」など一言を添える習慣を職場に作る
  • ・ 職場のコミュニケーションパターンを事前に説明する
  • ・ メンター担当者が日常のやりとりをフォローできる体制を設ける

受け入れ体制を整えないまま採用だけを先行させると、採用後半年以内に離職するリスクが高まります。TCJグローバルのセミナーでは、言語の壁が原因で「孤独」ではなく「孤立」に陥ることが離職につながると報告されています。「困っても誰に聞けばわからない」「失敗を指摘されたが理由が理解できない」という状態が続くと、外国人社員は職場を離れます。

日本語教育の実務家が指摘するように、「教師はわかりやすい発音で話し、正解に誘導する。しかし製造現場ではそんな環境は期待できない」というのが現実です。業界固有の用語・略語・方言が飛び交う現場では、汎用的な日本語研修だけでは対応しきれない場合があります。

日本語研修の準備(内製・外注の判断基準)

内製OJT 専門機関への委託
コスト 低い 初期費用あり
品質 現場リーダーのスキルに依存 業界特化・品質安定
向いているケース やさしい日本語で指示できる担当者がいる 専門用語が多い・担当者の対応力が不安
注意点 管理職の双方向コミュニケーションが不可欠 委託後も受け入れ側の関与が必要

内製か外注かの判断は、自社の現場リーダーが「やさしい日本語(短く・具体的・一指示一動作)」で指示を出せる環境かどうかで決まります。難しい場合は、業界特化型の専門機関への委託が安全です。研修を外注しても、受け入れ側の管理職が双方向コミュニケーションを実践しないと効果が薄い点も覚えておいてください。

メンター制度・サポート担当の配置

入社後3ヶ月は、業務以外の疑問(ゴミの分別・食堂の使い方・有給の申請方法など)も含めて、気軽に聞ける窓口が必要です。メンター1名を指定し、「わからないことはこの人に聞く」と明確に伝えるだけで、孤立リスクが下がります。メンターには事前に「やさしい日本語」の使い方を説明しておくと、サポートの質が上がります。

社内書類・規則の多言語化とビザ管理

就業規則・安全マニュアル・緊急連絡先は、英語または候補者の主な母語(ベトナム語・インドネシア語等)に対応した補助資料を用意してください。危険作業の安全指示を日本語のみで口頭伝達することは、安全管理上のリスクが残ります。また、在留期限の更新時期(多くは1〜3年ごと)を社内で一覧管理し、申請書類の準備をサポートする体制も必要です。「在留期限が切れていた」というケースは、期限の把握ができていなかったことが原因です。

受け入れ体制の整備は、採用後に始めるのでは間に合わないケースがあります。募集開始と並行して、または募集開始より先に準備する順番が早期離職の防止につながります。

採用後の定着率を高めるための受け入れ体制の具体的な設計は、定着を支える4つの仕組み(全13ページ・無料)にまとめています。

TCJグローバルの外国人材紹介・日本語研修サービス

TCJグローバルは1988年創業以来37年にわたり、外国人材の日本語教育と採用支援を手がけてきました。日本語教育機関として育成実績1万人以上を持ち、在留資格の確認から日本語研修・生活支援まで一貫して対応できる登録支援機関でもあります。

  • Can-Doアセスメントによる日本語実務能力の可視化: JLPTの等級では見えない「この業務でどこまで日本語を使えるか」を採用前に数値化します。採用後のミスマッチを防ぐ有効な判断材料です。
  • 業界特化型日本語研修: 製造・介護・建設・外食の現場で実際に使われる用語・指示表現に特化した研修を実施しています。汎用的な日本語教育では届かない現場固有の課題に対応できる点が特徴です。
  • 入社後6ヶ月間の動画レッスン無料(特定技能採用時): 採用後の現場定着をeラーニング形式でサポートします。現場リーダーの負荷を最小限に保ちながら、外国人社員の継続的な成長を支える仕組みです。
  • 採用から定着まで一貫したワンストップサポート: 人材紹介・日本語研修・登録支援機関機能を、11か国60機関のネットワークで担います。在留資格の確認から生活支援まで、外国人採用に関わる工程を一社で対応できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 外国人を雇うとき、在留資格の確認は必ず必要ですか?

A. 必要です。就労可能な在留資格を確認しないまま雇用した場合、企業側も不法就労助長罪(出入国在留管理及び難民認定法第73条の2:3年以下の懲役または300万円以下の罰金)の対象となります。採用決定前に、在留カードで在留資格の種類と在留期限を確認し、担当させる業務との整合性を記録してください。

Q2. ハローワークだけで外国人を募集できますか?

A. 可能です。ハローワークは無料で求人を掲載でき、外国人雇用サービスセンターを通じた専門的なサポートも受けられます。ただし候補者プールは限られます。外国人向け専門求人サイトや人材紹介会社との組み合わせが、採用確度を高める選択肢です。

Q3. 日本語が話せない外国人でも採用できますか?

A. 業務の内容によります。安全指示や正確な手順が必要な製造・建設現場では、業務遂行に必要な最低限の日本語能力の確認が現実的です。在留資格に制限がなければ、採用後に日本語研修を実施しながら戦力化する方法もあります。その場合は、入社前から研修体制を整えておくことが離職防止の条件になります。

Q4. 求人票に「◯◯人歓迎」と国籍の希望を書いてもいいですか?

A. 書けません。国籍・人種などを理由とした求人条件の設定は、職業安定法で禁止されています。「在留資格(技人国・特定技能)をお持ちの方」「JLPT N3以上の方」のように、必要な資格・スキルで条件を記載してください。

Q5. 採用後の日本語研修は企業が準備しないといけませんか?

A. 法律上の義務はありませんが、準備しないと早期離職のリスクが高まります。特定技能の登録支援機関を利用する場合、日本語学習の機会提供が支援計画に含まれます。TCJグローバルのような専門機関への委託で、担当者の負荷を抑えながら研修体制を整えることができます。

まとめ

外国人材の採用を成功させるために確認すべき3点は、次のとおりです。

  • ① 在留資格と業務内容の整合性を確認する: 在留カードで在留資格の種類と在留期限を確認し、担当させる業務との対応を記録してください。採用決定より前に確認する手順が、法的リスクの回避につながります。
  • ② 求人票に日本語レベルと在留資格要件を数値・行動基準で明記する: 「JLPT N3以上、または業務指示を復唱確認できるレベル」のように行動基準を加えて記載することで、採用後のミスマッチが減ります。
  • ③ 受け入れ体制を採用前に整備する: 日本語研修・メンター制度・書類多言語化は、採用後ではなく募集開始と並行して準備する順番が早期離職の防止につながります。内製が難しい場合は、業界特化型の専門機関への委託を検討してください。

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監修者 徳田淳子
監修者

登録日本語教員・国家資格キャリアコンサルタント

徳田 淳子

国際交流基金「EPAに基づく日本語予備教育事業」に日本語教師としてインドネシア派遣。外国人政策情報発信プラットフォーム「にほんごぷらっと」編集広報担当。日本語教育隣接領域における研修を主催する「ことばと学びでつながるなかまの会」「ももの会」創設メンバー。国内MBA取得。

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記事を書いた人

外国人材TIME編集部