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【外国人材のためのサポートを7つ紹介】定着率を上げる受け入れ体制の作り方

【外国人材のためのサポートを7つ紹介】定着率を上げる受け入れ体制の作り方

外国人材サポートとは、入社前の説明、生活の初動、日本語学習、相談導線、評価運用を切れ目なく整える受け入れ設計です。採用できても、初日の説明が曖昧で相談先も見えない職場では、定着は伸びにくくなります。

厚生労働省が2025年8月29日に公表した令和6年外国人雇用実態調査では、日本語能力などが理由で意思疎通しづらいと答えた事業所が43.9%でした。就労上のトラブルがあった外国人労働者の14.9%は、どこに相談すればよいかわからなかったと答えています。

読むと、外国人材が会社に求める支援の優先順位、定着率を上げる7つの実務、入社前から90日までの進め方が見えてくるでしょう。制度で外せない支援と、会社ごとに厚くしたい支援も分けて把握しやすい状態です。

定着を支える4つの仕組み
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採用コストをかけても短期離職が繰り返される根本原因と、オンボーディング・日本語支援・生活サポート・キャリア可視化の4つの仕組みで定着率を引き上げる実践方法を13ページで解説します。

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外国人材サポートで先に整える3つのこと

外国人材が会社に求める支援は、言語、仕事、安心して相談できる環境の3領域に集まります。支援項目を増やすより、この3領域を切らさず回すほうが定着には効きます。

外国人材が会社に求める支援は言語・仕事・公平な扱い

出入国在留管理庁の令和6年度在留外国人に対する基礎調査では、必要な支援の上位に言語57.7%、仕事47.2%、人種差別・機会平等・個人尊重39.2%が並びました。待遇だけではなく、伝わる言葉、働き方の理解、尊重される実感がそろって初めて安心して働けます。

人事側が生活支援だけ、現場が日本語だけ、上司が評価だけを見る状態では、本人から見ると支援が分断されます。まずは、何を話せるようにするか、どこで困ったときに声を上げるか、評価がどう返ってくるかを一つの流れで見せることが必要です。

外国人材が必要だと感じる支援の上位3項目

57.7%
言語
47.2%
仕事
39.2%
公平な扱い

出典は出入国在留管理庁の令和6年度在留外国人に対する基礎調査です。

支援領域 割合 会社が最初に整えること
言語 57.7% やさしい日本語、業務マニュアル、継続学習の導線
仕事 47.2% 仕事内容、評価基準、成長の見通しを入社前に説明
公平な扱い 39.2% ハラスメント防止、相談窓口、管理職の多文化研修
在留資格 34.5% 更新期限、任せられる業務、行政手続の確認
税金 31.3% 給与明細の読み方、住民税と社会保険の案内
住宅 28.7% 住居契約、ゴミ出し、通勤ルート、病院の案内

数字からわかるのは、外国人材サポートを福利厚生の話だけで終わらせてはいけないという点です。言葉の通り方、働き方の見え方、困ったときの相談導線をまとめて設計した会社ほど、初期の不安を減らしやすくなります。

企業側がつまずくポイントは日本語・在留手続き・文化差

支援を厚くしたいと思っていても、会社側には別のつまずきがあります。厚生労働省の同調査では、企業が抱える課題のトップは日本語面の意思疎通43.9%で、次に在留資格申請などの事務負担24.7%、在留期間上限21.5%、文化や生活習慣の違い20.9%が続きました。

つまり、外国人材本人が求める支援と、会社が苦しくなる場面は重なっています。日本語、生活、制度の3つを別部署に分けたままにすると、だれも全体を見なくなり、初期離職を止めにくくなります。

企業が感じる課題 割合 現場で起きやすいこと
日本語面で意思疎通しづらい 43.9% 安全指示が伝わらない、復唱がない、誤解が残る
在留資格申請などの事務負担 24.7% 更新期限や必要書類の確認が後手に回る
在留期間の上限 21.5% 長期配置を前提にした計画が立てにくい
文化や生活習慣の違い 20.9% 報連相、休日、宗教配慮の行き違いが起きる

出典は厚生労働省『令和6年外国人雇用実態調査の概況』です。

【ここができていない】定着率が下がる会社に共通する3点

外国人材が安心して働き始められる受け入れ体制の整備方法を知りたい方は、「受け入れ・定着の成功法則(無料・全10P)」で実践ステップを確認できます。

離職が出る会社では、支援の量より順番が崩れていることが多くあります。入社前の説明、相談導線、日本語学習の3つがつながっていないと、小さな違和感が離職理由へ育っていきます。

入社前説明と現場実態がずれる

厚生労働省の受入れ・定着マニュアルでは、残業時間、夜勤の有無、賞与額、住居周辺の環境、宗教面の配慮などを面接や内定後の面談で具体的に伝えることが勧められています。ここが曖昧だと、入社後にこんなはずではなかったという落差が残ります。

現場では、仕事内容だけを説明して終わりにしがちです。けれども、外国人材にとっては通勤時間、病院の場所、休みの日の過ごし方、夜勤の開始時期も働き続ける判断材料です。採用面談から生活まで話せる会社は、初月の不信感を減らしやすいでしょう。

よくある離職の火種

よくある状況:

入社前には昼勤中心と聞いていたのに、現場では早い段階で夜勤も入るとわかり、本人も上司も気まずくなります。

原因:

働き方の説明が抽象的で、本人の希望確認も不足していたためです。

回避方法:

  • ・ 残業、夜勤、休日、賞与は数字で説明します
  • ・ 写真や動画で職場と住環境を見せます
  • ・ 内定後も月1〜2回の面談で認識差を埋めます

相談先が見えず小さな不満がたまる

厚生労働省の調査では、就労上のトラブルがあった外国人労働者の14.9%が、どこに相談すればよいかわからなかったと答えています。上司に言いにくい内容と、生活面の相談を同じ窓口で受けると、本人は声を上げにくい状態です。

  • 仕事の相談先: 直属上司と教育担当が業務理解を確認します
  • 生活の相談先: メンターや総務が住居、病院、行政手続を支えます
  • 緊急時の連絡: 勤務時間外でも連絡できる方法を最初に共有します

相談窓口は、名前だけ置いても動きません。だれが一次受けをするか、返答期限をどう決めるか、本人の母語かやさしい日本語でどう返すかまで決めておく必要があります。

日本語支援が初期研修で止まる

出入国在留管理庁の基礎調査では、日本語学習の困りごととして、受講料が高い15.8%、無料の教室が近くにない13.5%、都合のよい時間帯に学べない11.3%が上位でした。入社時研修だけで終わると、現場で必要な語彙や言い回しが増えた瞬間に伸びが止まります。

日本語支援は、教室に行かせるかどうかだけでは足りません。職場で使う言葉を業務マニュアルに落とし、復唱で理解を確かめ、勤務後に短い学習時間を残すところまで設計すると続きやすくなります。

外国人材サポート7選

効く順番は、入社前の期待調整、初日の生活支援、3か月までの対話、6か月までの成長支援です。ここでは、定着率を上げるために外しにくい7つの施策を、現場で回しやすい形に落とします。

1. 入社前ガイダンスで期待値を合わせる

最初の支援は入社後ではなく、雇用契約の後から始まる段階です。特定技能では、労働条件、活動内容、入国手続、保証金徴収の有無などを事前に説明することが制度上も求められています。

  • 数字で伝える: 残業時間、夜勤開始時期、昇給条件を具体的に話します
  • 写真で伝える: 現場、休憩室、住居周辺、通勤経路を見せます
  • 確認して終える: 本人に復唱してもらい、理解差をその場で埋めます

2. 住居と生活インフラの初動支援を途切れさせない

住居、銀行口座、携帯電話、ライフライン、病院、ゴミ出し、通勤経路は、入社後すぐの不安を左右する項目です。特定技能の支援ページでも、住居確保と生活に必要な契約支援、公的手続の同行は義務項目です。

ここを本人任せにすると、仕事以前の疲れが積み上がります。初週は、生活で迷わない状態を先につくり、そのあとで業務理解を積み上げたほうが結果として現場も楽になります。

3. 相談窓口と3か月面談を動かす

相談窓口は、制度対応と定着支援の両方で軸になります。特定技能では、支援責任者などが外国人本人と上司に対して3か月に1回以上の面談を行うことが求められています。

面談で聞くことは、仕事の困りごとだけで十分ではありません。人間関係、睡眠、住居、食事、病院、仕送りの負担まで聞くと、離職前の変化を見つけやすくなります。

4. やさしい日本語と業務マニュアルを整える

現場で伝わらない場面を減らすには、長い説明より、短い文、結論からの指示、写真付きマニュアルが有効です。厚生労働省の受入れ・定着マニュアルでも、写真と説明を並べた業務マニュアルや、復唱で理解を確かめるやり方が勧められています。

TCJグローバルでは、JLPTの点数だけではなく、現場で何ができるかを見るCan-Doアセスメントを使っています。点数は足りていても、口頭指示の理解に差が出ることがあるため、採用前評価と入社後教育をつなぐ視点が欠かせません。

5. 日本語学習を入社後も続ける

入社後の日本語学習は、教室の有無だけでなく、勤務と両立できるかで決まります。勤務後に15分だけ復習する仕組み、動画教材の視聴、現場用語のミニテストなど、短く続く形にすると止まりにくくなります。

TCJグローバルでは、採用企業向けに業務別のカスタマイズ教育と、入社後6か月の動画レッスンを組み合わせた運用です。入社時だけで終わらせず、現場で必要な言い回しを少しずつ増やすほうが、現場との会話も安定しやすくなります。

6. 評価基準とキャリアの見える化を行う

定着率を上げたいなら、働き続けた先が見える状態をつくる必要があります。昇給や職域拡大の条件が曖昧なままだと、本人は今の頑張りがどう返るのか読めません。

  • 評価項目を言葉で分ける: 安全、品質、報告、協働を分けて伝えます
  • 次の役割を見せる: どの技能が身につくと任せる仕事が増えるかを先に共有します
  • 面談で振り返る: 3か月ごとに何が伸びたか、次に何を見るかを整理します

7. 日本人社員向けの多文化研修を入れる

外国人材だけが学べばよいわけではありません。管理職と受け入れ現場が、やさしい日本語、宗教配慮、ハラスメント防止、報連相の行き違いを学ぶと、本人側にだけ適応を求める空気が弱まります。

施策 開始時期 確認指標
管理職向けやさしい日本語研修 入社前 指示の復唱率、再説明回数
多文化理解のミニ研修 初月 困りごとの申告件数、現場クレーム件数
評価面談の型統一 3か月以内 面談実施率、次回目標の記入率

現場の理解が追いつくと、外国人材サポートは人事だけの仕事ではなくなります。支援を人事、現場、総務の共同運用に変えることが、定着率を上げる近道です。

90日で整える実行ロードマップ

支援策は、いつ、だれが、何を見るかまで決めて初めて回り始めます。まずは90日で動く形に絞ると、現場の負担も読みやすくなります。

期間 主担当 やること 確認指標
入社前〜30日 人事・総務 事前説明、住居、口座、通勤、初回面談、相談窓口共有 説明理解の復唱、生活トラブル件数、初回面談実施率
31日〜60日 現場管理者・教育担当 業務マニュアルの更新、日本語学習の定着、日報や復唱の運用 再説明回数、日報記入率、学習実施率
61日〜90日 人事・上司・メンター 3か月面談、評価の言語化、次の役割の共有 面談完了率、目標共有率、離職兆候の有無

ここで大切なのは、すべてを一気に増やさないことです。初月は不安を減らし、2か月目は言葉と業務のズレを埋め、3か月目で評価と今後の見通しを返します。この順番なら、担当部署が違っても回しやすくなります。

外部委託を検討したい場面

社内にバイリンガル人材がいない、住居支援と行政手続まで追えない、教育担当が現場業務で手いっぱい。この3つが重なるなら、支援の一部を外部へ任せたほうが運用は安定しやすくなります。

TCJグローバルでは、日本語教師資格保持者によるアセスメント、業務別に組めるカスタマイズ日本語教育、入社後6か月の動画レッスン、登録支援機関業務までを一つの流れで見られる体制です。自社で残す仕事と外部へ任せる仕事を分けたい会社ほど、先に役割分担を決めてから委託範囲を選ぶと失敗しにくくなります。

外部委託を考えたい目安として、面談実施率が下がる、住居や行政手続で総務が回らない、現場日本語の教材づくりが止まる、のどれかが出たら、内製だけで抱え込まない判断が必要です。支援の主担当が月末に必ず進捗を見返す場を置くと、委託の必要性も読み取りやすくなります。

まとめ

外国人材サポートで先に整えるべきなのは、言語、仕事、相談導線の3領域です。そこに生活の初動支援と評価の見える化を重ねると、定着率は上げやすくなります。

支援は多ければよいのではなく、入社前から90日までを切れずに回せるかで差が出ます。まずは現場で止まりやすい部分を一つずつ整え、必要なら外部の力も借りながら運用を細らせないことが重要です。

よくある質問

Q1. 外国人材サポートはどこまで会社が担うべきですか

A. 入社前説明、生活の初動支援、相談窓口、日本語学習の導線、評価の見える化までは会社が設計すべきです。特定技能では、事前ガイダンス、住居支援、日本語学習の案内、相談対応、定期面談などが制度上も求められます。

Q2. 定着率を上げるには何から始めればよいですか

A. 最初に見直したいのは、入社前説明と初月の生活支援です。仕事内容だけではなく、残業、休日、通勤、病院、相談先まで具体的に伝えると、初期の不信感を減らしやすくなります。

Q3. 日本語学習は入社後も必要ですか

A. 必要です。厚生労働省の調査でも、企業側の最大課題は日本語面の意思疎通でした。現場で使う語彙は入社後に増えるため、短時間でも続く学習設計を残したほうが定着に効きます。

Q4. 相談窓口は上司だけで足りますか

A. 足りない場面が多いです。上司には言いにくい生活面の困りごともあるため、業務と生活で一次受けを分け、勤務時間外も連絡できる方法を最初に共有したほうが機能しやすくなります。

Q5. 生活支援を外部に任せる判断線はありますか

A. 住居契約、行政手続、面談運用、日本語教材づくりのいずれかが止まり始めたら判断のタイミングです。人事と総務が兼務で回し切れない会社ほど、早めに支援範囲を整理したほうが安定します。

Q6. 特定技能で必ず押さえたい支援は何ですか

A. 事前ガイダンス、送迎、住居と契約の支援、生活オリエンテーション、公的手続の同行、日本語学習の案内、相談対応、日本人との交流支援、転職支援、定期面談の10項目です。制度上の必須対応を起点にして、その上へ定着施策を重ねる形が基本です。

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記事を書いた人

外国人材TIME編集部