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【2026年】外国人ドライバー採用の教科書|特定技能の要件・免許・費用は?

【2026年】外国人ドライバー採用の教科書|特定技能の要件・免許・費用は?

「求人を出しても、若い日本人の応募が全く来ない」
「2024年問題で稼働時間が制限され、このままでは荷物が運べなくなる」

物流・運送業界の経営者や採用担当者様から、このような悲鳴にも似た相談が急増しています。有効求人倍率が2倍〜3倍と推移するドライバー職において、人材確保はもはや「経営の存続」に関わる緊急課題と言えるでしょう。

そんな中、2024年に特定技能の対象分野に「自動車運送業」が追加され、ついに外国人ドライバーの採用が解禁されました。「これで人手不足が解消する!」と期待した方も多いはずです。しかし、実際に採用を進めようとすると、「日本の運転免許(外免切替)」と「日本語でのコミュニケーション」という、極めて高いハードルに直面してしまいます。

「せっかく採用したのに、試験に受からず運転できない」
「現場で言葉が通じず、配送先でトラブルになってしまった」

このような失敗を避けるためには、単に制度を知るだけでなく、免許取得と日本語教育をセットにした戦略的な採用計画が欠かせません。特定技能「自動車運送業」の制度概要から、多くの企業が躓く「免許問題」の解決策、そして事故を防ぐための教育手法まで、2026年の最新情報に基づいて解説します。

特定技能「自動車運送業」とは?3つの業務区分と要件

特定技能「自動車運送業」は、深刻なドライバー不足に対応するために新設された在留資格です。対象となる業務は大きく3つに分かれており、それぞれ求められる免許やスキルが異なります。

1. トラック・タクシー・バスの業務区分

特定技能で外国人が従事できる業務は、以下の3区分です。自社がどの区分に該当するかを確認しましょう。

業務区分 具体的な業務内容 必要な日本の運転免許
トラック
(貨物自動車運送事業)
トラックの運転、荷積み・荷下ろし、荷物の仕分け、点検など 第1種免許
(準中型、中型、大型など)
タクシー
(タクシー・ハイヤー運送事業)
タクシーの運転、接客、乗降介助、荷物の積み下ろし、点検など 第2種免許
(普通第二種など)
バス
(貸切・乗合バス事業)
バスの運転、接客、手荷物の取り扱い、点検、車内アナウンスなど 第2種免許
(大型第二種など)

重要なのは、「運転以外の付随業務(荷積み、接客など)」も業務範囲に含まれる点です。従来の技能実習制度では難しかった柔軟な業務配置が可能になるため、現場にとっては大きなメリットと言えます。

2. 採用のための3つの必須要件

特定技能1号の在留資格を得るには、外国人が以下の3つの試験・資格をクリアする必要があります。

  • ① 日本語能力: 「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上」
  • ② 技能試験: 「自動車運送業分野特定技能評価試験」への合格
  • ③ 運転免許: 日本の運転免許(第1種または第2種)の取得

①と②については、多くの特定技能分野で共通の要件ですが、運送業特有かつ最大の難関となるのが③の「日本の運転免許」です。母国で免許を持っていても、そのままでは日本で運転することはできません。必ず日本の公安委員会が発行する免許に切り替えるか、新規に取得しなければならないのです。

3. 在留期間とキャリアパス

現在、自動車運送業分野は「特定技能1号」のみが認められており、通算での在留期間は最長5年です。現時点では、家族の帯同は認められていません。

しかし、建設や造船など他分野では、より熟練した技能を持つ「2号」への移行が進んでいるのが現状です。自動車運送業においても、将来的には2号への道が開かれ、事実上の永住が可能になる議論も進んでいます。優秀なドライバーに長く働いてもらうためにも、今のうちからキャリアパスを見据えた採用を行うことが推奨されるでしょう。

外国人ドライバーの採用要件や制度について、もっと詳しく知りたい方へ

TCJでは、運送業に特化した最新の制度情報や、採用可否の判断基準をまとめた資料を無料で用意しています。

外国人ドライバー採用の最大の壁「運転免許」の実態

運送会社が特定技能人材を採用する際、最も計画が狂いやすいのが「運転免許の取得」でしょう。「運転なんて誰でもできるだろう」と甘く見ていると、半年経ってもドライバーとしてデビューできない事態に陥りかねません。

「外免切替」はなぜ難しいのか?

外国の免許を日本の免許に書き換える手続きを「外免切替(がいめんきりかえ)」と呼びます。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、実際には非常に高いハードルが立ちはだかります。

なぜ「外免切替」で不合格になるのか?

壁1:学科試験
(知識確認)

合格率 約40-50%


・日本語特有の
「ひっかけ問題」
・左側通行の理解不足

最大の難関:実技試験
(技能確認)

合格率 約20-30%


・一発試験の厳格基準
・安全確認のタイミング
・日本の車両感覚

何度も試験に落ちて予約が取れず、数ヶ月間足止めを食らうケースも珍しくありません。この期間中のドライバー候補者のモチベーション維持も、企業側の重要な役割となります。

教習所への通学は現実的か?

外免切替が難しいなら、日本の教習所に通わせて一から免許を取らせればいいのでは?と考えるかもしれません。しかし、これには「コスト」と「期間」の問題が立ちはだかります。

合宿免許でも30万円前後、通学ならそれ以上の費用がかかるでしょう。また、日本語の学科教本を読み解き、仮免・本免の試験に合格するには、N4レベル以上の日本語読解力が欠かせません。企業が費用を全額負担するのか、本人が分割で支払うのか、採用時(雇用契約時)に明確な取り決めをしておかないと、金銭トラブルの原因となりかねません。

「特定活動」ビザでの入国・準備期間

特定技能1号のビザを申請するには、すでに日本の免許を持っていることが条件となります。では、海外にいる外国人をどうやって採用すればいいのか、疑問に思う方もいるでしょう。

ここで利用されるのが、「特定活動(告示55号)」という特例的な在留資格です。このビザを使えば、採用内定を出した外国人を「免許取得と研修のため」に最大6ヶ月間(更新で最大1年)、日本に滞在させることができます。

この期間中に教習所へ通ったり、外免切替の訓練を受けたりして、無事に免許が取れてから「特定技能1号」へ変更申請を行います。つまり、企業側は「入社してから半年間は、ドライバーとして稼働できない準備期間がある」ことを前提に採用計画を立てなければなりません。

失敗しないための「教育」戦略〜事故と言葉の壁を超える〜

免許が無事に取れたとしても、ゴールではありません。むしろ、そこからがスタートです。運送会社が最も恐れる「事故」や「トラブル」を防ぐためには、現場配属前の教育が全てを握っています。

事故リスクは「言葉の理解」と直結している

外国人ドライバーの事故原因の多くは、技術不足よりも「認知・判断のミス」にあると言われます。

  • ・ 「止まれ」の標識を一瞬で見落とす。
  • ・ 無線で「右のバースに着けて」と言われたのに、左に行って接触した。
  • ・ 点呼時の「体調はどうだ?」「昨日は寝たか?」という質問に、意味もわからず「はい」と答えてしまう。

これらは全て、日本語力の問題に他なりません。一般的な日本語学校で習う「日常会話」と、道路上や物流現場で必要な「安全確認のための日本語」は全く別物なのです。

現場で求められるのは「N4」ではなく「専門用語」

JLPT N4(基本的な日本語)があれば特定技能の要件は満たせますが、現場の実務には不十分です。ドライバーには、以下のような特殊な用語を理解する力が求められます。

  • 車両用語: ウィング、ゲート、ラッシング、輪止め、死角
  • 配送用語: 伝票、着払い、個口割れ、軒先渡し、検品
  • 接客敬語(タクシー・配送): お待たせいたしました、どちらのルートをご希望ですか

これらの言葉を入社前にインストールしておかないと、教育係の日本人ドライバーに過度な負担がかかり、「もう外国人とは組みたくない」と現場が疲弊してしまうでしょう。

TCJが提案する「安全×日本語」ハイブリッド教育

私たちTCJ(東京中央日本語学院)は、35年以上の歴史を持つ日本語教育機関として、多くの運送会社様の外国人採用を支援してきました。その中で確立したのが、「日本語教育の中に、安全教育(KYT)を組み込む」という独自メソッドです。

例えば、「かもしれない運転」を教える際、単なる文法として教えるのではなく、実際のドライブレコーダー映像やイラストを見せながら、「子供が飛び出してくる『かもしれない』」と発話させるトレーニングを行います。これにより、日本語の習得と同時に、日本の交通社会特有の「空気を読む運転」「危険予知の感受性」を養うことが可能です。

また、外免切替の学科試験対策として、独特な言い回し(例:「徐行しなければならない」と「徐行した方がよい」の違いなど)を重点的に解説するカリキュラムも用意しており、合格率アップに貢献しています。

採用から配属までのロードマップ

最後に、特定技能外国人ドライバーを採用し、戦力化するまでの標準的なフローを見ていきましょう。

1
募集・選考

【期間: 1〜2ヶ月目】

・現地/国内募集
・適性検査
日本語面接(必須)

2
申請・入国準備

【期間: 3〜5ヶ月目】

・在留資格申請
・特定活動ビザ準備
事前日本語研修

3
入国・免許・研修

【期間: 6〜11ヶ月目】

・住居セットアップ
外免切替/教習所
・横乗り研修/倉庫作業

4
配属・実務開始

【期間: 12ヶ月目〜】

・特定技能1号へ変更
・単独乗務開始
・継続的な安全教育

このように、採用を決めてから実際にドライバーとして独り立ちするまでには、少なくとも半年〜1年近いリードタイムが必要です。「今すぐ人が欲しい」という要望には応えにくいですが、「1年後の確実な戦力」を作るための投資と捉えるべきです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 日本の普通免許を持っている外国人は、すぐにトラックに乗れますか?

A. いいえ、乗れる車両サイズに制限があります。
日本の普通免許(2017年3月12日以降取得)では、車両総重量3.5t未満の車しか運転できません。2tトラックや4tトラックを運転するには、準中型免許や中型免許への「限定解除」や新規取得が必要です。保有している免許の種類と、業務で使用するトラックの規格を必ず照合してください。

Q2. 採用にかかる費用の目安はどのくらいですか?

A. 紹介料を除き、渡航費や手続き、講習費で50〜80万円程度が目安です。
在留資格申請の行政書士費用、渡航費、住居の初期費用に加え、免許取得費用(教習所費用など)がかかります。人材紹介会社を使う場合は、別途手数料(年収の20〜30%程度)が発生します。安くはありませんが、採用後の定着率を高めることで、投資対効果は十分に回収可能でしょう。

Q3. どの国の人がドライバーに向いていますか?

A. 国籍よりも「個人の適性」と「母国の交通事情」が重要です。
親日国であるベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどが実績豊富です。ただし、国によって右側通行・左側通行が異なるため、日本(左側通行)と同じ国出身者の方が馴染みやすい傾向はあります。最終的には国籍で決めつけず、性格検査や運転適性検査で判断するべきでしょう。

Q4. トラックの運転経験がない未経験者でも採用できますか?

A. 可能ですが、教育コストは高くなります。
制度上は未経験でも受験資格や免許取得ができれば採用可能です。しかし、日本の狭い道路事情や複雑な配送ルールをゼロから教えるのは大変です。できれば母国である程度の運転経験がある人材を採用し、日本のルールへの適応教育に集中する方が効率的でしょう。

Q5. 日本語が上達せず、免許試験に落ち続ける場合はどうすればいいですか?

A. 専門的な日本語教育の導入を検討してください。
独学での合格は非常に困難です。免許試験に特化した日本語講座や、模擬試験を繰り返し実施するサポートが必要です。TCJでは、外免切替対策を含むカスタム研修を用意しており、合格率改善の実績があります。

まとめ:人材戦略は「採用」から「育成」の時代へ

特定技能「自動車運送業」の解禁は、物流業界にとって大きなチャンスです。しかし、安易な採用は事故や早期離職のリスクを招きかねません。成功している企業は、「外国人は免許も日本語も、これから育てていくもの」そして「育てれば、日本人以上に真面目で優秀な戦力になる」という長期的な視点を持っています。

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