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特定技能とは?16分野の業務一覧と充足率【2026年4月版】

特定技能とは?16分野の業務一覧と充足率【2026年4月版】

2026年4月13日、外食業における特定技能1号の新規受入が停止されました。制度が始まった2019年以来、初めてのことです。上限5万人への到達が見込まれ、農林水産省と出入国在留管理庁が停止を発表した日から、採用担当者の多くが「では次はどこで採れるのか」と代替分野を探し始めています。

一方、同じ時期に新しい動きもありました。2026年1月23日の閣議決定で、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が特定技能の対象として追加されることが決まりました。受入開始は2027年予定とされており、早めに把握しておきたい情報です。

特定技能16分野の業務内容と試験要件、分野別の充足率、外食業停止の詳細と代替分野の選び方、そして2026年1月に決まった新3分野まで、採用担当者が今判断するために必要な情報を一記事でまとめました。東京中央日本語学院を母体に37年の実績を持つ株式会社TCJグローバルの支援経験をもとに構成しています。

監修者 徳田淳子
監修者

登録日本語教員・国家資格キャリアコンサルタント

徳田 淳子

国際交流基金「EPAに基づく日本語予備教育事業」に日本語教師としてインドネシア派遣。外国人政策情報発信プラットフォーム「にほんごぷらっと」編集広報担当。日本語教育隣接領域における研修を主催する「ことばと学びでつながるなかまの会」「ももの会」創設メンバー。国内MBA取得。

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特定技能とは

特定技能とは、人手不足が深刻な対象の産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人の就労を可能にする在留資格です。2019年4月に創設され、学歴は不問で、各分野の技能試験と日本語試験の合格が主な取得要件となっています。

2025年6月末時点で特定技能の在留者数は336,196人(速報値)に達し(出典:出入国在留管理庁)、外国人材の受入制度として、技能実習に次ぐ規模に達している状況です。

特定技能1号と2号の違い

項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算5年まで 上限なし(更新継続)
家族帯同 原則不可 可(配偶者・子)
技能水準 各分野の技能試験合格 熟練技能(監督・自己判断できるレベル)
日本語要件 N4以上(一部分野はN3) 原則不要(外食・漁業はN3)
対象分野数 16分野 15分野(介護を除く)
義務的支援 あり(登録支援機関への委託も可) なし

技能実習・育成就労・技人国との違い

特定技能は、技能実習(育成就労)や技術・人文知識・国際業務(技人国)と混同されることがあります。制度の目的と対象が根本的に異なるため、採用前に整理が必要です。

在留資格 目的 対象業務 学歴要件
特定技能 即戦力の就労 16分野の現場業務 不要
育成就労(旧技能実習) 技能移転・育成 現場業務(特定技能と重複あり) 不要
技人国(技術・人文知識・国際業務) 専門的・技術的就労 ホワイトカラー(設計・IT・通訳等) 大学卒または実務10年以上

【2026年4月最新】特定技能16分野の充足率一覧

各分野には5年間の受入見込数(上限)が設定されており、上限に達すると外食業のように受入が停止されます。現時点の充足率を把握することが、安定した採用計画を立てるうえでの第一歩です。

分野 現在の受入数(令和6年6月末) 5年間の見込数 充足率目安 2号対象
外食業 約53,000人(2026年4月停止) 53,000人 100%超 → 新規停止中
飲食料品製造業 70,202人 139,000人 約51%
素形材・産業機械・電気電子製造業 44,044人 173,300人 約25%
介護 36,719人 135,000人 約27% ×(介護資格へ移行)
農業 27,786人 78,000人 約36%
建設 31,853人 80,000人 約40%
造船・舶用工業 8,703人 13,000人 約67%
自動車整備 2,858人 10,000人 約29%
ビルクリーニング 4,635人 37,000人 約13%
漁業 3,035人 17,000人 約18%
航空 959人 2,200人 約44%
宿泊 492人 23,000人 約2%(余地が最大)
自動車運送業 (2024年3月追加・集計中) 24,500人 低(2024年追加)
林業 (2024年3月追加・集計中) 1,000人 低(2024年追加)
鉄道 (2024年3月追加・集計中) 3,800人 低(2024年追加)
木材産業 (2024年3月追加・集計中) 5,000人 低(2024年追加)

出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」令和6年6月末時点。充足率は2024年3月29日閣議決定の受入見込数を分母として算出。2024年3月追加の4分野は統計整備中のため概算値なし。

外食業の受入停止と代替分野の選び方

外食業における特定技能1号の新規受入は、2026年4月13日から停止されています。これは特定技能制度が創設された2019年以来、初めての措置です(出典:農林水産省・出入国在留管理庁 2026年3月27日発表)。

2026年4月13日停止の内容と例外規定

停止されたのは「海外からの新規採用(在留資格認定証明書の交付)」と「留学生や他の在留資格からの変更申請」です。上限5万人への到達が見込まれたことが理由です。

  • 停止の対象:在留資格認定証明書(COE)の原則不交付。留学生・他資格からの変更申請も原則不許可
  • 例外1:技能実習からの移行(医療・福祉施設給食製造作業の修了者に限定)
  • 例外2:外食分野内での転職(既に外食業で就労中の者の同分野内転職)
  • 例外3:在留期間の更新(現在就労中の外国人の更新申請は引き続き可能)

停止期間中は、受入見込数の見直しを行い、再度の設定が決まれば再開される見通しです。ただし、再開の時期は現時点では未定です。

外食業の代わりに検討できる分野

外食業で採用を計画していた企業が代替として検討できる分野は、業態によって異なります。

  • 食品製造工場がある企業:飲食料品製造業(充足率約51%)が対象。店舗業務から工場・調理加工部門への切り替えで継続採用が可能
  • ホテル・旅館の飲食部門:宿泊分野(充足率約2%)が対象。フロント・接客・レストランサービスも含まれる
  • 高齢者施設の給食・調理部門:介護分野(充足率約27%)の対象業務に付随する食事調理補助として採用可能なケースあり。要件の確認が必要

自社業種が特定技能のどの分野に当てはまるかは、業態によって判断が分かれるケースがあります。TCJグローバルのサービス資料(無料)で対応分野と採用フローを確認できます。

各分野の業務内容と試験要件

16分野それぞれの業務内容、試験要件、受入見込数を以下に整理しました。「N4」は日本語能力試験N4または国際交流基金日本語基礎テスト合格が基準です。

介護

身体介護(入浴・食事・排せつの介助等)のほか、レクリエーションの実施や機能訓練の補助といった支援業務も対象です。2025年4月からは訪問系サービスへの従事も認められるようになりました。技能試験(介護技能評価試験)と日本語試験(N4以上+介護日本語評価試験)の合格が必要です。介護分野は特定技能2号の対象外ですが、介護福祉士取得後は在留資格「介護」への移行ができます。

ビルクリーニング

多くの来訪者が利用する建築物内部の清掃が主な業務です。ホテルの客室ベッドメイク等の付随業務も認められています。技能試験(ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験)とN4以上の日本語試験合格が必要です。充足率は約13%で、採用余地があります。

素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業

機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造、RPF製造など幅広い製造業務が対象です。受入見込数17.3万人と全分野で最大規模で、充足率は約25%。製造業系企業にとって採用余地が大きく、最初に検討する価値があります。製造分野特定技能1号評価試験とN4以上の日本語試験合格が必要です。

建設

土木施設・建築物の新設・改築・維持・修繕に係る作業のほか、電気・ガス・水道等のライフライン設備の整備業務も含まれています。技能試験(建設分野特定技能1号評価試験または技能検定3級)とN4以上が必要です。国土交通省が定める建設特定技能受入計画の認定も企業側に求められます。

造船・舶用工業

船舶・舶用機械・舶用電気電子機器の製造工程の作業です。溶接、塗装、機械加工、電気機器の組立て等が含まれます。充足率は約67%で、全分野の中でも上位に入ります。技能試験(造船・舶用工業分野特定技能1号試験または技能検定3級)とN4以上が必要です。

自動車整備

自動車の日常点検整備・定期点検整備・分解整備(法定の高度整備)およびこれに付随する基礎的な業務が対象です。技能試験(自動車整備分野特定技能1号評価試験または自動車整備士技能検定試験3級)とN4以上が条件となります。

航空

空港グランドハンドリング(地上走行支援・手荷物貨物取扱等)と航空機整備(機体・装備品等の整備)が対象です。受入見込数2,200人と規模は小さく、充足率は約44%となっています。技能試験(航空分野特定技能1号評価試験)とN4以上が条件です。

宿泊

宿泊施設でのフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービス業務が対象です。充足率は約2%と全16分野で最も低く、採用余地が最大の状況にあります。受入見込数は2.3万人と設定されており、人材不足が特に深刻な分野となっています。技能試験(宿泊分野特定技能1号評価試験)とN4以上が必要です。

農業

耕種農業全般(栽培管理・農産物の集出荷・選別等)と畜産農業全般(飼養管理・畜産物の集出荷・選別等)が対象です。季節性のある業務のため、複数農家への派遣・複数事業者との同時雇用が認められています。技能試験(1号農業技能測定試験)とN4以上の日本語試験への合格が条件となります。

漁業

漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵等)と養殖業(養殖資材の管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲・処理等)が対象です。農業同様に複数事業者との同時雇用を認めており、人材確保の柔軟性があります。技能試験(1号漁業技能測定試験)とN4以上が必要です。

飲食料品製造業

飲食料品(酒類を除く)の製造・加工および安全衛生の確保が対象です。受入数は全16分野で最多の70,202人(令和6年6月末)で、充足率は約51%。スーパーマーケット内の惣菜製造も2024年の業務拡大で対象に含まれました。技能試験(飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験)とN4以上が必要です。

外食業(2026年4月13日から新規受入停止中)

飲食物調理・接客・店舗管理が対象ですが、2026年4月13日から新規のCOE交付と在留資格変更が原則停止されています。技能試験(外食業特定技能1号技能測定試験)とN3以上の日本語試験合格が必要でした(停止前)。既に就労中の人材の更新と同分野内転職は引き続き可能です。

自動車運送業

トラック・タクシー・バスの運転および運転に付随する業務全般が対象です。2024年3月の閣議決定で追加された分野で、日本語要件は他分野より高いN3以上が求められます(外食業・鉄道の一部業種と同水準)。トラック区分は第一種運転免許、タクシー・バス区分は第二種運転免許の取得が必要です。

林業

育林・素材生産等の林業業務が対象です。受入見込数は1,000人と全分野で最も少なく、マッチングできる求人数は限られています。技能試験(林業技能測定試験)とN4以上が必要です。

鉄道

軌道整備・車両整備・電気設備整備・車両製造・運輸係員等が対象です。運輸係員(駅係員等)はN3以上の日本語力が必要で、他の鉄道業務はN4以上が条件となります。業務ごとに個別の技能試験を受ける必要があります。

木材産業

製材業・合板製造業等に係る木材の加工等が対象です。受入見込数5,000人で、2024年3月追加の4分野のうちの一つです。技能試験(木材産業特定技能1号測定試験)とN4以上の日本語試験への合格が条件となります。

【速報】2026年1月決定:新3分野の追加と2027年受入開始

2026年1月23日の閣議決定で、特定技能の対象分野にリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が新たに追加されることが決まりました。受入開始は2027年を予定しており、2028年度末までの5年間で計123万1,900人(全19分野)の受入が見込まれています。

  • リネンサプライ:ホテル・病院向けシーツ・タオル等の洗濯・仕上げ・配送業務。観光業の回復で需要が急増している
  • 物流倉庫(倉庫管理業):ネット通販の急増で人手不足が深刻な倉庫内業務(ピッキング・仕分け・在庫管理等)
  • 資源循環(廃棄物処理):ゴミの収集・運搬・リサイクル処理業務。高齢化による従事者減少が続く分野

試験の内容や詳細要件は現時点(2026年4月)では正式発表前ですが、他分野と同様にN4以上の日本語能力と分野別技能試験の合格が要件となる見通しです。物流・リネン・廃棄物処理に関わる企業は、2027年の受入開始に向けて、今から登録支援機関の選定と受入体制の整備を進めておくことが先行優位につながります。

採用ルートと手続きの流れ

特定技能外国人の採用ルートは、国内採用と海外採用の2つです。どちらを選ぶかは、必要な人材の日本語力・経験・コスト・スケジュールによって決まります。

国内採用(技能実習修了者・留学生)

技能実習2号を良好に修了した人材は、試験免除で特定技能1号に移行することが可能です。日本での就労経験があるため、現場への適応が早い点が強みです。留学生採用の場合は各分野の試験合格が必要で、日本語力はすでに一定水準に達しているケースが多くなっています。

  • ・ 技能実習2号修了者:技能試験免除で特定技能1号へ移行可
  • ・ 留学生:技能試験・日本語試験の合格後に在留資格変更申請
  • ・ 採用までの目安:1〜3ヶ月(在留資格変更の審査期間を含む)

海外からの直接採用

各国で特定技能の試験に合格した人材を海外から直接採用するルートです。TCJグローバルはベトナム・ネパール・インドネシアなど11か国60機関のネットワークから試験合格者を紹介できます。日本語教師資格保持者によるCan-Doアセスメントで、JLPTスコアだけでは判断できない実務レベルの日本語力を入社前に確認できる点が特徴です。

  • ・ 在留資格認定証明書(COE)の取得:1〜3ヶ月
  • ・ 在外公館でのビザ申請:2〜4週間
  • ・ 採用から入国まで:最低3ヶ月以上の余裕が必要

よくある質問

Q1. 特定技能16分野とはどのような制度ですか?

特定技能とは、人手不足が深刻な人手不足が深刻な対象産業分野で外国人が就労できる在留資格です。2019年に12分野で始まり、2024年3月に4分野が追加されて現在16分野となっています。学歴は不問で、各分野の技能試験と日本語試験(原則N4以上)の合格が主な要件です。

Q2. 外食業が停止されましたが、いつ再開されますか?

2026年4月13日から新規受入が停止されており、再開時期は現時点で未定です。停止中は受入見込数の見直しが行われ、再設定後に再開される見通しですが、具体的なスケジュールは農林水産省・出入国在留管理庁の発表を待つ必要があります。

Q3. 充足率が高い分野に採用制限はありますか?

現時点で外食業以外に受入停止となっている分野はありません。ただし、5年間の受入見込数を超えた場合は外食業と同様に停止措置が取られる点は覚えておきましょう。造船・舶用工業(約67%)、飲食料品製造業(約51%)、航空(約44%)は充足率が比較的高く、動向を注視する価値があります。

Q4. 特定技能2号に移行するとどうなりますか?

特定技能2号は在留期間の上限がなく(更新継続)、家族帯同も認められます。熟練技能(監督・自己判断できるレベル)が要件です。介護分野を除く15分野で2号への移行が可能で、長期雇用を前提とした採用戦略として有効です。

Q5. 2026年1月に決まった新3分野はいつから採用できますか?

リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野は2027年の受入開始を予定しています。試験内容や詳細要件は2026年4月時点で正式発表前ですが、他分野と同様にN4以上の日本語力と分野別技能試験の合格が要件となる見通しです。

Q6. 企業ごとに特定技能の採用人数に上限はありますか?

建設分野については、特定技能1号の受入数が常勤職員の総数を超えてはならないという企業ごとの制限があります。それ以外の分野は、分野全体の受入見込数が上限であり、企業ごとの人数制限は原則ありません。ただし、支援体制を適切に維持できる範囲で採用する必要があります。

まとめ:2026年4月時点で採用できる分野の選び方

外食業の停止は、特定技能制度で上限管理が現実化した初めての事例です。充足率の観点で今後も注視が必要な分野がある一方、宿泊(約2%)・製造業(約25%)・ビルクリーニング(約13%)など採用余地が十分にある分野は多く残っています。

2027年には新3分野(リネンサプライ・物流倉庫・資源循環)の受入が始まる予定です。自社業種が新たに対象になる企業は、受入体制の整備を早めに進めておくことが競争上の優位につながります。

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記事を書いた人

外国人材TIME編集部