日本で働く外国人労働者数に占める割合が、ベトナム、中国、フィリピンに続き、ネパール人が4番目に多くなっています。ネパール人材の採用を検討している企業様に向けて、ネパールの文化や特徴、採用時のポイントを徹底解説します。
実際にネパールでの就労経験が長い弊社スタッフのインタビューをもとに、国別の違いに配慮しながらも、採用の際に重要なポイントを詳述します。是非、参考にしてください。
また、TCJグローバルでは、ネパールに提携校を持ち、ネパール人材の育成も行っております。お気軽にお問合せください。
ネパールの採用の現状
ネパールの基本情報
2024年の統計によると、ネパールの人口は約3054万人であり、民族や言語は非常に多様です。民族は約126、言語は約123存在するとされています。この多様性は、ネパールの社会文化に大きな影響を与えており、相互尊重の精神が強いと言われています。国民の80%がヒンドゥー教徒で、宗教行事や祭りが非常に重要視されています。ネパールでは家族やコミュニティとの絆が強く、農村部では近隣住民との助け合いの文化も根付いていますが、都市部ではその傾向が薄れ、より個々の生活が重視されるようになっています。
国内でのネパール人雇用数
2024年10月時点で、ネパールからの労働者は約187,657人となっています。
他の国からの労働者と比較すると、ベトナム570,708人(24.8%)、中国408,805人(17.8%)、フィリピン245,565人(10.7%)の次に続き、ネパール人労働者は全体の約8.1%を占めています。
出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50256.html
ネパール人労働者の在留資格と業種別内訳
ネパール人労働者の在留資格は、「技術・人文・知識・国際業務」35,001人、「特定技能」5,614人、「特定活動」3,366人、「技能実習」3,144人と続きます。ネパール人は主に技能職や国際業務に従事しており、特定技能や技能実習での雇用も増加しています。
出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50256.html
ネパール人労働者の特徴
家族やコミュニティを重視
ネパールの労働者は、家族やコミュニティとのつながりを大切にしています。多くのネパール人は大家族で暮らしており、親族との関係が非常に密接です。この文化が影響し、労働者も家族のために働く姿勢が強いです。そのため、日本での勤務においても家族に対する愛情や責任感が仕事に対するモチベーションにつながります。
楽観的でおおらかな性格
ネパール人は、おおらかで楽観的、温厚で人懐っこい性格を持っています。人との心理的距離が近く、初対面でも気軽に会話を楽しむことができます。このような性格は、職場でのチームワークや円滑なコミュニケーションにおいて、非常にプラスの要素となるでしょう。
「仕事」へのリラックスした姿勢
日本では、9時から17時までの間、一生懸命働くことが期待されますが、ネパールでは、仕事の進め方がやや異なります。ネパールでは、特に自営業を営んでいる場合、「のんびりと仕事をする」「遅くまで働く必要はない」という感覚が一般的です。日本において「働き方改革」や「効率的な勤務」を重視する企業にとって、このギャップを理解し、うまくマネジメントすることが大切です。
日本とネパールの就業文化の違い
飲み会文化への理解
日本では、社内の飲み会や懇親会が一般的ですが、ネパールではお酒を飲むことが文化的に必ずしも好まれるわけではありません。特に女性が公共の場でお酒を飲むことは、ネパールの文化ではあまり一般的ではなく、受け入れにくい場合があります。日本の飲み会文化に馴染むには、適切な配慮が必要です。
牛肉の食文化
ネパールのヒンドゥー教徒の多くは、牛は神聖視しており、牛肉を食べることは禁忌とされています。豚肉についても、地域や宗教的背景により食べない場合が多いです。そのため、食事の提供においては宗教的な配慮が求められます。予めネパール人労働者の食習慣を確認し、トラブルを避けることが大切です。
イベントへの理解
クリスマスや日本の祭りなど、ネパールの文化にない行事に対して、ネパール人労働者はあまり積極的ではない場合があります。特にヒンドゥー教徒にとっては、宗教行事や祭りのほうが優先されるため、会社のイベントに参加することが難しいこともあります。この点も事前に理解しておくとよいでしょう。
交通ルールと規則
ネパールでは、交通ルールや規則が緩やかであるため、日本に来てから交通ルールを守ることに苦労することがあります。また、ネパールには郵便配達システムが発達していないため、地図を読んだり、場所を特定したりすることが難しい場合もあります。新しい環境での適応支援が必要です。
ネパール人材を採用する上での注意点
家族重視の文化を尊重すること
ネパールの文化では、家族が非常に重要な位置を占めています。これは仕事においても影響を与えることがあり、ネパール人の多くは家庭を最優先に考える傾向があります。そのため、仕事での時間や休暇の調整が家族とのイベントや用事に合わせて行われることがよくあります。
具体例: 例えば、ネパール人社員が子供の学校行事や家族の祝い事がある際に、急な休暇を希望する場合があります。この点を理解しておくと、企業側も柔軟に対応でき、社員のモチベーション向上にもつながります。
コミュニケーションの特徴を理解すること
ネパール人は、日本人以上に本音と建前の使い分けを行い、遠回しな表現を好みます。直接的な表現は避けることが多く、はっきりとした言葉で要求や意見を言わないことがあります。これにより、職場でのコミュニケーションにおいても注意が必要です。
具体例: 例えば、ネパール人を招待して「お茶をどうぞ」と言っても、一度は「いいえ、結構です」と断られ、その後に再度勧めることで受け入れられるという文化があります。また、何かを頼む際に「〜してほしい」と直接言うのではなく、「〜で困っているんだ」という形で自分の状況を伝えて、相手に察してもらうことが多いです。
このような文化的背景を踏まえて、ネパール人社員に対しては、率直なフィードバックを避け、考えさせる質問を投げかけることが有効です。例えば、「どうしてこれを改善することが大切だと思いますか?」など、自己反省を促すアプローチが効果的です。
教育背景と考える力の育成に注力すること
ネパールの教育システムは、教師が一方的に教えるスタイルが多く、深く考えることよりも記憶に頼った学習が重視される傾向があります。このため、ネパール人は与えられた指示をこなすことが得意ですが、独自に考えて問題解決する能力はあまり養われていない場合があります。
具体例: ネパール人社員に改善を求める際には、単に指摘するのではなく、考える機会を与える質問を投げかけることが効果的です。例えば、「なぜこの規則があると思いますか?」や「この方法がうまくいかない理由は何でしょうか?」などです。これにより、社員が自ら問題点を考え、改善策を見つけ出す手助けになります。
また、褒めることが重要です。多くのネパール人は、生活の困難や親の無関心、カースト制度などの影響で自尊心が低くなることがあるため、上手に褒めて自己肯定感を高めることが人材育成のポイントとなります。
言語の習得力と文化の共通点も意識すること
ネパール語と日本語は、文法や表現が非常に似ているため、ネパール人が日本語を学ぶことは比較的容易です。特に、敬語の使い方は似ているため、ネパール人にとって日本語の敬語表現も学びやすいと言えます。
具体例: ネパール語は絶対敬語であり、日本語の相対敬語と異なるため、ネパール人が日本語を学ぶ際には、ウチ・ソト(内・外)の使い分けを理解することが必要です。言語の面では、漢字やひらがなの習得には時間がかかりますが、ネパール人が日本語を話すこと自体は比較的早い段階でできるようになります。
また、礼儀やマナーについてもネパールと日本には共通点が多いため、上手に指導すれば、ネパール人社員が日本の職場文化を迅速に習得することができるでしょう。
まとめ
ネパール人材の採用においては、文化的な違いを理解し、コミュニケーションや就業環境の適応支援を行うことが重要です。ネパール人は勤勉で家族を大切にする姿勢があり、しっかりと教育し育成すれば、良い働き手として活躍することができます。
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国籍:ベトナム・ネパール
業種:外食、介護