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ベトナム人材を採用するなら知っておきたい!文化、特徴、採用のポイントを解説

ベトナム人材を採用するなら知っておきたい!文化、特徴、採用のポイントを解説

ベトナム人材を採りたいが、特定技能で進めるべきか、留学生採用で進めるべきか、そこが曖昧なまま話が進む企業は少なくありません。国籍の印象だけで決めると、職種と在留資格が合わず、面接で見ておくべき点もぼやけます。

厚生労働省が2026年1月30日に公表した令和7年10月末時点の集計では、ベトナム国籍の外国人労働者は60万5,906人で最多でした。出入国在留管理庁の令和7年6月末時点集計でも、特定技能1号のベトナム人は14万6,270人にのぼります。候補者母数は大きい一方で、採用の成否は国籍よりもルート選びと受け入れ設計で決まります。

ベトナム人材採用とは、日本で働ける在留資格を持つベトナム国籍の人材を、自社の職種と教育体制に合う形で採ることです。ここでは、最新の公的データをもとに、向く企業と向かない企業、採用ルート、面接、入社後3か月の整え方まで実務順に整理します。

監修者 徳田淳子
監修者

登録日本語教員・国家資格キャリアコンサルタント

徳田 淳子

国際交流基金「EPAに基づく日本語予備教育事業」に日本語教師としてインドネシア派遣。外国人政策情報発信プラットフォーム「にほんごぷらっと」編集広報担当。日本語教育隣接領域における研修を主催する「ことばと学びでつながるなかまの会」「ももの会」創設メンバー。国内MBA取得。

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ベトナム人材採用が増えている理由

ベトナム人材採用が増えている背景は、単に人手不足だからではありません。現場系の職種で候補者母数が大きく、特定技能でも国内採用でも母集団を作りやすい点が大きな理由です。

ここでいうベトナム人材採用とは、日本企業がベトナム国籍の候補者を特定技能、技術・人文知識・国際業務、国内採用の各ルートで雇い入れることを指します。

ただ、母数が大きいことと、自社に合う人を採れることは別問題です。採用担当者が先に見るべきなのは、どの在留資格と職種の組み合わせなら勝負になるか。この順番で考えるほうが判断しやすくなります。

最新データで見るベトナム人材の母数

厚生労働省が2026年1月30日に公表した令和7年10月末時点の集計では、ベトナム国籍の外国人労働者は60万5,906人でした。外国人労働者全体255万5,183人のうち23.7%を占めており、国籍別で最も多い規模です。

指標 人数 確認時点
外国人労働者数 60万5,906人 令和7年10月末
特定技能1号の在留者数 14万6,270人 令和7年6月末
在留外国人数 68万1,100人 令和7年末

出典:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和7年10月末現在)」出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」

母数が大きいからこその職種整理とルート整理

ベトナム人材の候補者が多いといっても、どの企業にも同じ答えが当てはまるわけではありません。製造、外食、宿泊、介護のように特定技能の枠で採りやすい職種もあれば、設計、通訳、海外営業のように技術・人文知識・国際業務で見るほうが合う職種もあります。

採用判断を国籍イメージで始めると、面接で確かめるポイントが曖昧になります。まずは職種、雇用条件、日本語水準、教育体制の4つを揃え、そのうえで国籍別の候補者プールを見る順番が基本です。

社内で先に決めるべき判断軸

候補者探しを始める前に、社内で3つ決めておくと話がぶれません。ひとつ目は、その職種が特定技能なのか技術・人文知識・国際業務なのか。ふたつ目は、初年度にどこまで日本語を求めるのか。三つ目は、寮や通勤や夜勤の条件をどこまで固定できるのかです。

この3点が固まっていない会社では、紹介会社から候補者が来ても比較表が作れません。結果として「若いから」「人数が多そうだから」という曖昧な理由で進み、入社後の条件差で揉めます。先に自社条件を言語化しているかどうかが分かれ目です。

ベトナム人材採用が向く企業と向かない企業

ベトナム人材採用が向く企業には共通点があります。仕事内容と評価基準を言葉で渡せること、生活面の説明を数字で揃えられること、この2つが外せません。

判断軸 向く企業 向かない企業
仕事内容 作業範囲と評価基準を事前に文書化できる 配属後に見ながら覚えてもらう前提で動く
雇用条件 基本給、控除、寮費、夜勤を数字で説明できる 総支給だけを伝え、手取り説明を後回しにする
日本語評価 復唱と聞き返しまで面接で確かめる JLPTの級だけで通す
受け入れ体制 初日から3か月まで担当者と連絡手順を決める 入社後は現場任せで進める

とくに製造業や現場サービス業では、手順を明文化できる企業ほど受け入れが進みます。逆に、役割が曖昧なまま忙しい現場へ入れる会社では、本人の能力以前に立ち上がりが遅れます。

一方で、ベトナム人材採用が向かないのは、採用時に約束した条件を現場都合で頻繁に変える会社です。勤務地、夜勤、寮費、残業時間の想定がぶれると、候補者は「話が違う」と受け止めます。ここは国籍に関係なく離職要因になりますが、海外から来る人材では影響がより大きく出ます。

採用ルートは特定技能・技人国・国内採用の3つで考える

ベトナム人材採用のルートは大きく3つです。特定技能、技術・人文知識・国際業務、国内採用の3つに分けると、どこで迷うかがはっきりします。

ルート 向く職種 外せない確認点
特定技能 製造、外食、宿泊、介護など現場系 対象分野か、支援計画を回せるか
技術・人文知識・国際業務 設計、開発、通訳、海外営業、企画 単純作業中心になっていないか
国内採用 留学生新卒、在日転職、配偶者・永住者 卒業後の在留資格変更、週28時間制限の扱い

留学生採用で確認する卒業後の資格変更

ベトナム人留学生を採る場合、在学中のアルバイト実績だけで正社員採用を決めるのは危険です。留学の在留資格では原則として週28時間までしか働けません。卒業後にフルタイムで雇うには、職種に合う在留資格へ切り替わることが前提です。

製造ラインのような現場職なら特定技能を、設計や通訳や営業なら技術・人文知識・国際業務を検討する流れになります。ここを曖昧にしたまま内定を出すと、入社日だけが近づき、手続きで詰まるだけです。

現地採用と国内採用で見るべき比較軸

現地採用は母集団を広く取りやすい反面、入国前教育と条件説明の精度がそのまま採用後に跳ね返る構造です。国内採用は母集団が狭くなりやすいものの、日本での生活経験があり、面接で条件認識を確かめやすい利点があります。

急いで人数を揃えたい会社は現地採用へ意識が向きがちですが、初めての外国人採用なら国内採用から始めたほうが比較しやすい場面もあります。どちらが正しいかではなく、自社の管理体制でどこまで追えるか。この見極めが先です。

自社の職種でどの在留資格を選ぶかを整理したい場合は、TCJグローバルのサービス資料で支援範囲を確認できます。

ベトナム人材を採用するときに外せない確認ポイント

採用が崩れる場面はほぼ決まっています。在留資格の読み違い、手取り額の認識差、日本語力の過大評価、現場連絡の設計不足です。

  • 確認1 予定業務が在留資格の範囲に収まっているか
  • 確認2 基本給、控除、寮費、残業代を候補者が自分の言葉で言い直せるか
  • 確認3 面接で復唱と聞き返しができるか
  • 確認4 配属初日から3か月の担当者と連絡手順が決まっているか

条件説明で食い違いやすい項目

項目 誤解が起きやすい点 先に伝える内容
給与 総支給額だけ理解している 控除後の目安、締日、支払日
住居 寮費や光熱費が別だと後で知る 毎月の固定控除と初期費用
勤務 夜勤、土日、配属先変更の幅が読めていない シフト、残業の有無、異動の可能性
日本語 試験の級と現場会話を同じものとして見る 復唱、報告、聞き返しの実力

紹介会社や送り出し機関に聞くべきこと

候補者本人だけを見ても、採用の全体像はつかめません。紹介会社や送り出し機関に対して、どの段階で日本語教育を入れたのか、どの条件を母語で説明したのか、来日前に何を約束しているのかまで確認が必要です。

  • 確認1 候補者へどの言語で条件説明をしたか
  • 確認2 来日前にどの日本語教育を受けたか
  • 確認3 仕事と生活面で候補者が不安にしている点は何か
  • 確認4 入社後にどこまでフォローへ入るのか

ここを聞かずに進めると、面接で候補者が答えた内容と、紹介会社が伝えていた内容に差が出ます。採用担当者が両方を照らし合わせておくと、入社前の認識差はかなり小さくなります。

面接で聞くべき質問と見極め方

面接では、国籍の印象を確かめる必要はありません。働く目的、条件理解、日本語でのやり取り、困ったときの報告、この4つが見えれば採用判断にかなり近づきます。

質問 見る点 通し方の目安
日本で働く理由を2分で話してください 目的が短期収入だけか、職種理解があるか 理由、期間、職種がつながっている
分からない指示が来たらどうしますか 聞き返しができるか 復唱して確認する答えが出る
給与明細の控除項目を説明してもらえますか 条件理解の深さ 手取りの計算イメージを自分の言葉で話せる
前職や実習で大変だったことは何ですか 不満の言い方と解決の仕方 事実と感情を分けて説明できる
入社後3か月で覚えたいことは何ですか 仕事の見通しと学ぶ姿勢 業務、日本語、生活の優先順位が見える

日本語力は級だけでは読み切れません。TCJグローバルでは、日本語教師資格を持つ担当が Can-Do の観点で会話、復唱、報告の力まで確認しています。面接でその再現ができるかを見るほうが、資格だけを見るより判断しやすくなります。

とくに大事なのは、分からないときに黙らず確認できるかどうかです。現場で事故や手戻りを起こす人は、日本語が足りないというより、分からない場面で止まれないことが多くあります。面接では、言葉の正確さだけでなく、確認の動きを見ます。

失敗例:手取りの確認を飛ばし、初月で退職相談になった

よくある状況

面接では総支給額だけを伝え、寮費と光熱費の控除説明を細かくしませんでした。入社後の初回給与で想定より手取りが少ないと分かり、候補者が紹介会社へ不信感を伝えました。

原因

条件説明を日本語で一度話しただけで、相手が理解したかを確かめていませんでした。

回避方法

  • ・ 総支給と控除後の目安を両方見せる
  • ・ 候補者自身に金額を言い直してもらう
  • ・ 入社前に書面でもう一度確認する

採用後3か月で差が出る受け入れ設計

採用後の3か月は、離職を防ぐ期間ではなく、働き方の型を決める期間です。ここで連絡手順と日本語支援を入れないと、本人の能力があっても現場で孤立します。

時期 やること 確認する項目
初日〜1週目 勤務時間、欠勤連絡、寮ルール、緊急連絡先を固定する 本人が連絡経路を言い直せるか
2週目〜1か月 やさしい日本語でのOJT、毎日の短い報告、メンター設定 報告、復唱、聞き返しが回っているか
2〜3か月 仕事の到達目標、日本語学習、次の役割を決める 単独で回せる作業と追加支援の要否

TCJグローバルでは、特定技能で採用した企業向けに入社後6か月の動画レッスンを無償で付けています。入社前の紹介で終わらせず、現場に入ってからの日本語学習まで設計しておくことが重要です。

最初の1か月で固定したい連絡ルール

受け入れ初期に曖昧なまま残りやすいのが、報告の時間、欠勤連絡の順番、困ったときの相談先です。ここを口頭で一度伝えただけでは定着しません。紙でもチャットでもよいので、連絡の順番を一枚にして渡します。

現場で共有しておきたいのは、始業前に誰へ連絡するか、遅刻しそうなときは何時までに連絡するか、機械や工程で止まったときは誰を呼ぶか、この3つです。ルールが短いほど回ります。文章を長くするより、行動の順番を短く切って渡すほうが現場では機能します。

よくある質問

Q1. ベトナム人材採用は特定技能から始めるほうがよいですか。

A. 現場職なら特定技能から考えるほうが整理しやすいです。設計、通訳、海外営業のように専門職で採るなら、技術・人文知識・国際業務のほうが合います。

Q2. ベトナム人留学生を新卒採用できますか。

A. 採用できます。ただし、卒業後に職種に合う在留資格へ切り替わることが前提です。在学中のアルバイト経験だけで内定を急がず、卒業後の在留資格変更まで見て判断します。

Q3. 面接で文化の違いをどこまで聞いてよいですか。

A. 文化一般を聞く必要はありません。聞くべきなのは、働く目的、条件理解、困ったときの報告、仕事の進め方です。宗教や家族事情の聞き方は採用差別につながらないよう線を引く必要があります。

Q4. ベトナム人材は残業を前向きに受ける人が多いですか。

A. 個人差があります。残業の有無を国籍で決めつけず、月の想定時間、残業代、夜勤の頻度を入社前に数字で伝え、本人の希望を確認するほうが安全です。

Q5. 離職を防ぐために最初に整えるべきことは何ですか。

A. 初日から1か月の連絡手順を決めることです。欠勤連絡、聞き返しの仕方、毎日の報告、寮や生活ルールを先に固定すると、現場の混乱が減ります。

Q6. 技術・人文知識・国際業務で工場ラインの仕事を任せられますか。

A. ライン作業だけを主業務にする形では難しいです。設計、品質管理、通訳を伴う役割かどうかを個別に見て、在留資格との整合を確認します。

まとめ

ベトナム人材採用で先に決めるべきなのは、国籍の印象ではなく、どの在留資格で、どの職種に、どの条件で迎えるかです。特定技能、技術・人文知識・国際業務、国内採用の3ルートを切り分け、面接では条件理解と日本語のやり取りを確かめ、入社後3か月の受け入れ設計まで準備してから進めるほうが判断がぶれません。

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記事を書いた人

外国人材TIME編集部